アルファベットに数字を当てはめ、
音名や単語の数を導き出す
ゲマトリアというのがあります。
バッハが用いていたであろう、とされる
カバラ数秘術では
IとJ、UとVはそれぞれ同じと扱うので
アルファベットと数字の対応はこんな感じ。
A 1
B 2
C 3
D 4
E 5
F 6
G 7
H 8
I 9
J 9
K 10
L 11
M 12
N 13
O 14
P 15
Q 16
R 17
S 18
T 19
U 20
V 20
W 21
X 22
Y 23
Z 24
音名はAなら1、Hなら8です。
#とか♭がつくものは、ドイツ音名を数字化してこんなふうに。
A# = Ais 28
A♭ = As 19
C# = Cis 30
D# = Dis 31
D♭ = Des 27
E# = Eis 32
E♭ = Es 23
F# = Fis 33
G# = Gis 34
で、試しにリュート組曲第1番BWV996の冒頭4小節を
数字化してみると、

この組曲は冒頭のH-F#という4度の下降音形に特徴があります。
それがその次の音でAに3度上行するのにも注意。
4というのは、ゲマトリアでは十字架を表したり、4つの文字、4つの方位、
四大元素、と結びつけられます。
3の主な意味はは三位一体です。
十字架と三位一体によって表された3つの音の数が42になっています。
42というのは14×3、
これはマタイ福音書によると
旧約聖書で神との契約をした
アブラハムからダヴィデ王までが14代、
ダヴィデ王からバビロンへの移住までが14代
バビロンへ移されてからキリストまでが14代
という記述があるため、
キリスト、もしくはユダヤ民族の歴史、
信仰の正統性などの意味があるようです。
1小節目の全部の音のゲマトリアは
162で、これは3で割ると54、
54は3(三位一体)の3乗である27の2倍、
2は対を表すため神と人、男女、etc
など、様々な説明ができてしまうのですが、
2小節目のゲマトリアが261なので、
ここでは1と2と6という数字に意味があるのかもしれません。
そう考えると
1×2×6=12で
1小節めも2小節めも、12使徒、の12になっています。
そして1+2+6は9
これも三位一体を強めた数字です。
3小節め223では和が7(一週間)で乗が12使徒、
4小節めの158は
なんとJohann Sebastian Bachのゲマトリアの総数です。
Johann(9,14,8,1,13,13) Sebastian(18,5,2,1,18,19,9,1,13) Bach(2,1,3,8)です。
そしてこれは同時に、
In nomine Crucis (十字架の御名において)だそうです。
(しかも158って、
足すとBachと同じ14になる、、つくづくよくできた名前なんですね。)
こう考えると、
冒頭4(!!)小節が
とっても十字架とキリストと神とバッハになっているのがわかりますね。。。
さらに、
このBWV996の前奏曲は
前半のパッサジオが16小節、
後半が後半のフーガ部が58小節、
トータル74小節になっておりますが、
58=Gott (神)
74=Christ (キリスト)
です....
ここまで数字が揃うっていうのは、
すごいことですね。
バッハの他の作品にも
こういった例は多数ある、ということで、
まだまだいろいろな発見がありそうです。