
僕は昔から、
ビウェラやバロック・ギターの音楽が好きで、
あ、もちろん持っているCDや聴いてる時間はリュートの方が多いのだけど、
(リュートはむしろギター聴いているより長い時間聞いているかも)
学術的な勉強や演奏法に関しては
リュートは手に負えないほど広くて深すぎるので、
ギターの歴史を勉強する、という意味でも
ビウェラやバロック・ギターの本は眺めるようにしています。
ビウェラの曲を見ていると、
運指や演奏法に思わぬ発見があったりもするのです。
タブラチュアで、通常では考えられないポジション移動がある時とか、
それから例えば、
ナルバエスの「牛を見張れ」の変奏曲の第1変奏のスケールなんて、
mi(中指人差し指の交互)で弾くのとim(人差し指中指の交互)では、
まったく難易度が違うことに気づいたりとか....
そういう、遺跡を調査するみたいな楽しみがあります。
で、このFrank Koonceさんという人の本は、
解説がとても詳細で、
ビウェラ、バロック・ギター、それぞれの音楽の
バックグラウンドの説明、
各作曲家の生涯や作風について、
一つ一つの編曲について、
と、解説を読んでいるだけも面白いです。
最初、バロック・ギターの方を読み始めたんだけど、
ビウェラのもあることに気がついて、
今はビウェラの本を半分くらい読んだところ。
ルネサンスの音楽は、
音階ではなくて、その前の時代からの、
‘ソルミゼーション’という
音階を6ずつの連鎖で理解する方法で構築されていて、
その解説も結構専門的にされてあります。
流石にその部分は僕も読んだだけじゃ分からなくて、
実際にその時代の宗教歌曲を研究されている方に
教えていただきましたが....
にしてもこの知識の幅広さと行き届き方、
素晴らしいと思います。
普段は英語の本は途中で飽きてしまうことも多いけど、
これは最後まで行けそうな気がする。
タブラチュアの効果をなるべく反映させた
素晴らしい編曲の楽譜弾いてるだけでも楽しいです。