今回の主な課題は、
バッハの「ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタBWV1021」
いろんな演奏を勉強のために聴くと、
駆け足で演奏しているものが多くて、
それはそれで楽しいのだけれど、
ギターで低音弾きながら和音つけていくとなると
それは自動的にある程度速度は抑制されますし、
それを感じさせないくらい速く弾けるように
ダイエットした譜面を書きつつ、
転調や曲の句読点段落を
構造的に表現できるような
色彩感が出せるかどうか、
がポイントです。
辻彩奈さん、さすがのバランス感覚と
ギターに合わせてくださる音色の表現で、
自分が創造以上に伸び伸び演奏できて
とても安心しました。
トータルなリハーサルとしても
ゆっくりじっくりできて楽しかったです。
もちろん、素晴らしいヴァイオリン奏者なので、
僕が学ばせてもらっていることも多々あって、
大きな収穫です。
僕はあまり、
共演者さんとの年齢差とかは考えないんですけど、
それはこちらの言い分で、
やっぱり歳とってるのにビシッとできないのは申し訳ないので、
それなりに大人なふりはしますけど、
なにぶん、若い人と言っても最高クオリティの人となれば、
もう、時代の進歩とともに、
スーパー・ハイスペックになっちゃってるわけで、
ホントのことを言ってしまうと、
素晴らしい演奏家と音楽を作ってゆくこと、
それが楽しい、しかなくなってしまうんです。
その一方で、
自分より若いギタリストの方が、
共演者にとって遥かにストレスフリーで
自由自在だったら、ヤバイ!!!
と言う恐怖も常にあるのですね。
なので、そこを本当にいつも
ドキドキびくびくしながら
編曲したり練習したりしている。
これは正直なところ、
死ぬまでこのままでいた方がいいような気もします。
あるところで達観して、
自分は自分流でいいんだな、
もう歳なんだし
って思ったら終わりな感じがします。
経験値だけじゃなくて
そこに、真に伸びやかな、
これまでの発想にないものを加えようとする、
うまくいったり行かなかったり、
その繰り返しで日々終わっていく、
間に、気がついたら人生終わりました、
って感じになるのかなぁ....
と最近思います。
