北村聡さんと僕のデュオへ。
アンヘル・ビジョルド:エル・チョクロ
Ángel Villoldo : El choclo
フランシスコ・カナロ:マドレセルバ
Francisco Canaro : Madreselva
タンゴの創生期には歌の伴奏などで主役だったギターが、
大編成の演奏形態になるにつれて音量的なこともあって
バンドネオンへととって替わられたにもかかわらず、
バンドネオンとギターのデュオ・チームというのは
アルゼンチンではとても重要なタンゴの演奏形態の一つです。
北村くんにいろいろ教わりながら、
タンゴ・ギターのスタイルを勉強し始めたのが
多分2010年くらいのことだと思います。
以来、年に数曲ずつ、のようなゆっくりした足並みで
レパートリーを少しずつ増やしてきました。
最初はお互いのソロが半分くらいを占めていたデュオ・コンサートも
今日ではあえてお互いのソロを1曲ずつ入れるために
デュオのレパートリーは全て演奏しなくてもコンサートできるようになりました。
レパートリーと言ってもその半分くらいは、
上記のように有名なアルゼンチンの巨匠によるバンドネオンとギターのデュオを
カヴァーしたものです。
ですからどのチームの編曲かによって、
僕たちの演奏法も全く異なるスタイルを習得しなくてはいけません。
『エル・チョクロ』は北村くんと僕のレパートリーの中でも
最も難易度の高い編曲。なぜかというと、
これはもともと、北村くんの先生のフリオ・パネさんと、
往年のフォルクローレ&タンゴ・ギターの
スーパー・ヴィルトゥオーゾ、ファンホ・ドミンゲスによるものだからです。
もともとの演奏はこちら
『マドレセルバ』はフランシスコ・カナロによる
古いタンゴで、カルロス・ガルデルの歌唱でも有名。
実はこれについてはは昔書いてまして
https://daisukeguitar.seesaa.net/article/201702article_7.html
あとで出てくる『イル・ポスティーノ』の音楽を作曲した
アルゼンチン生まれのルイス・バカロフが自身のピアノによるタンゴ・アルバムに
録音しています。
「エル・チョクロ」は映画『セント・オブ・ウーマン』の中で
アル・パチーノがタンゴ「首の差で」を踊るシーンの少し前に流れていますし、
映画つながりのタンゴ2曲をデュオでお聞きいただくコーナーです。
ちなみに北村くんと僕のデュオ、
最近の演奏はこんな感じです。