始めはギターソロで
よく知られた名曲集

エンニオ・モリコーネ:ニュー・シネマ・パラダイス
Ennio Morricone : Nuovo Cinema Paradiso

この編曲は最初は2007年にアルバムのために作って、
その後、二重奏にしたものをたくさんのギタリストさんが
弾いてくださっていて、
2019年に自分のソロ用に再編曲したもの。
再編曲の際に和声進行や細かいところをオリジナルに近づけました。

今回は少し短縮バージョンで、
愛のテーマから始めてメインテーマで終わる構成にするつもり。

(後日追記)→そうしました


マルグリット・モノー〜ローラン・ディアンス編:愛の讃歌
Marguerite Monnot ~arr. Roland Dyens : L’Hymne à L’Amour
アンヘル・カブラル〜ローラン・ディアンス編:群衆
Ángel Cabral ~ arr. Roland Dyens : La Foule

エディット・ピアフ コーナー。
マリオン・コティヤールがピアフを演じた『エディット・ピアフ〜愛の讃歌』
が思い出されますね。
ちなみに、『群衆』は
アルゼンチン人のアンヘル・カブラルが書いた「誰も私の苦しみを知らないなんて」
というヒット・ソングをアルゼンチン旅行中に耳にしたピアフがカヴァーし、
ヒットしたもの。
この2曲はどちらもフランスのギタリスト・コンポーザーとして
多くの素晴らしい作品を遺し、近年惜しまれつつ世を去った
ローラン・ディアンスの編曲です。

ディアンスの編曲は時々、とはいえかなりな曲数、
もうこの曲についてはこれ以上の編曲は考えられないな、
と思うくらいドンピシャなものがあるのですが、
この2曲もそうだと思います。
「愛の讃歌」は、ネイティブ・スピーカーならではのニュアンスに富んでいるし、
ちょうど武満編の「オーヴァー・ザ・レインボウ」みたいな
普遍性があります。
「群衆」の方は、明らかに原曲が南米作品だということを意識していて、
同時にピアフ版のオーケストラのアレンジなども
巧みに取り込んでいます。


アストル・ピアソラ:天使のミロンガ
Astor Piazzolla ~ arr. Daisuke Suzuki : Milonga del Ángel

この曲は中学生くらいの時から好きでとてもよく聴いていました。
アストル・ピアソラの‘天使シリーズ’の一曲。

2018年のアルゼンチン映画『永遠に僕のもの』にも使用されています。


この映画、原題は『El Angel』(『天使』なのですね)

これは窃盗、殺人を繰り返す少年の衝撃の実話に基づくストーリーで、
普通はその主人公についての同情とか悲哀とか、孤独なんかも織り混ぜて描く、
つまり主人公に少し歩みよる感じで描いてゆくところですが、
この映画には微塵もそういうところがありません。
なぜなら、犯罪者本人に動機らしい動機がありません。
シューベルトの「野ばら」を摘み取ってしまう少年のように、
ただ刹那の所有欲、破壊欲を満たしていっているだけなのです。

この映画の中のこの曲の使い方、
わかるようなわからないような感じなのですが、
でもあえてあの一瞬、
この曲の甘美な孤独というか、報われない愛情、のような
どちらにしても双方向ではない、
仮に双方向であってもすれ違い気味の感情が画面を満たすのは、
ただわがままで無垢な残忍さなだけではない、
主人公のキャラクターの陰影を深めています、確かに。。





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カテゴリー 音楽
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