宮木朝子さんは
映像作品とのコラボレーションにおいて
とても興味深い作品を発表し続けている作曲家です。

通常の生演奏のサウンドを
さらに電子的に変化させる手法にも精通しています。

「LOST SONG」は、
ピアノとギターのための演奏会用の作品ですから、
電子的な処理はなされませんが、
(というか今回おそらくギターも生音で弾きます)
変拍子や音の跳躍に、
視覚的な効果との関連が思い起こされる部分が多々あります。

同時に、
彼女の作品の面白いところは、
どんなに抽象的であっても、
非常に身体の理に即しているというところです。

「LOST SONG」にも、
さまざまな変拍子が登場します。

楽譜をみて
読んだり数えたりしているうちは、
ちょっと注意しないと心配になる感じなのですが、
実際、音になってみると
非常に必然性のある、自然なリズムなのです。

このことは
ハーモニーにも言えるのですが、
とりわけひとつひとつの動機が内包する
身体的な必然性、とでもいうのでしょうか、
簡単に言ってしまうと
「心地よさ」や「陶酔感」に通じるような
スムースさは、他に類がないかもしれません。

そう書いてしまうと、
不協和音が何もないヒーリング音楽みたいなものを想像されてしまうかもせんね。

でも、
宮木さんの「LOST SONG」は、
飲み物で言うと
水やハーブ・ティーではありません。

口当たりは爽やかだけど
しっかりとエッヂとアルコールの効いた
マティーニのような感じ???

うーん
まずは聴いてみてご感想を。


参考までにこちら。
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